咳が止まらない。
7月の終わり、コロナウイルスに感染した。
いわゆる第1波、第2波のときには、罹患しなかったコロナウイルスに、最近では毎年のように感染している。
私がコロナウイルスになったと自認するのは、いつでも喉からだ。
喉に異常な違和感・痛みを感じると、翌日にはみるみるうちに高熱を発症し、あっという間に戦闘不能となる。熱が収まり、ウイルスが死んだあとも、後遺症として咳が残り、3ヶ月以上の間、漢方のお世話になる。
大きな声を出したり歌を歌ったりすることはもちろん憚られ、笑えない日々が続く。
自分の咳で明け方に目を覚まし、そのまま朝まで寝られないこともしばしばである。
感染リスクはないものの、咳をするだけで通勤電車では白い目で見られ、友人と会うときは安心感を抱いていただくために、ご説明を差し上げる必要がある。
上記のような追い込まれた生活の中で、今自分にできることは何かを考えた。
困難な状況に陥った時、優秀な人材は、打開するためのポジティブシンキングが求められる。
ポジティブなアイデアの重要性が謳われる現代の潮流に乗っかって、私はこの状況のメリットを考えたい。
メリット①
面倒な酒宴への招待を断れる
感染リスクはないが、そのあたりの説明は詳細に伝えず、「病み上がりなので念のため欠席します」と伝えれば、先方もなかなか無理には誘えないだろう。
アルコールで喉の消毒はできるが、まだ、科学的には立証されていないようなので、体調のために飲酒を断ることはごく自然な流れであることに違いない。
メリット②
吸いたくもないタバコミュニケーションを断れる
喫煙は百害あって一利なし、という言葉もあるように、健康の大敵となるものだ。
これを断ることができるのが、咳だ。
「副流煙だけでも咳が悪化してしまうんです」と、偽咳(ギセキ)を交えながら先方にお伝えするだけで、効果は抜群だ。
メリット③
食後に薬を飲むため、たくさん水が飲める
私は、柴朴湯という漢方が処方されていて、こちらは一日3回服用する必要がある。
粉であるため、むせるのを我慢しながら、喉奥に突っ込み、コップいっぱいの水を一気に流し込む。
たまに、両頬のポケットに3粒ずつくらい残るため、もう1杯、飲むことが多い。
コップの水を150mlと仮定すると、1回あたり2杯分の300ml。
それを朝昼晩と3回飲むわけだから、900mlは確実に補給できる。
体重にもよるが、おおよそ2リットル前後の水を補給することが、人間には求められている。それを薬を飲むだけで半分程度摂取することができるのだ。
咳、バンザイ。である。
したがって、咳を続けることは、健康であることがわかった。
今後も積極的に、咳を続けていき、健やかに暮らしていきたい。
この世界には、これくらい酷い非論理的なレポートが、あたかもマトモであるようなツラをして、たくさん転がっている。
大学時代、このような化け物を生み出してしまったことに、身に覚えがある人もいるのでは?
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