【大失敗】復職トレーニング1日目
寝坊した。
いつもできていたことが、できなくなっていることを実感する。
体調は悪くない。
アラームをかけたが、二度寝をしてしまった。
要因としては、前日にYouTubeの撮影をして楽しくなったことだ。
24時前に就寝するようにスケジュールを組み、しっかりと起床する。
前日就寝時刻26:30
当日起床時刻10:00
東直子『千年ごはん』を読んで
ゴミ箱のパウチに残るひとしぼり
2分「あたため」2時間の味
『千年ごはん』を読んだ後には、自炊をしたくなったが、材料は無い。
結局、本日の昼飯はレトルトカレー。これも捨てたもんじゃない。
封を開け2分レンジでチンすれば、美味しいカレーが食べられる。
冷凍食品やインスタント食品たちは、時に悪として語られることもあるが、現世には欠かせない。
彼らは、たくさんの人々を助けている。長年の企業努力・技術の賜物である。
歌人である東直子さんが著した『千年ごはん』には、食に関するエッセイが36本収録されている。
ひとつひとつのエッセイには短歌が添えられていて、どれも穏やかな日常を心地よい31文字で切り取っている。
手の込んだ料理や栄養満点の食卓についての話が主だが、本作を読むとオトコの一人飯、ズボラ飯なんかの良さにも気づかされる。
本エッセイでは、食べ物たちが、時に艶っぽく、時に愛らしく映る。
94頁「22.生姜あります」というエッセイでは、「煮物の上に生姜の針千本を乗せる」という表現がかわいい。
「ネギと一体化した卵があちこちでぷくぷくふくれる。かわいい卵。」(164頁)
「ソーセージは切り口がまるくふくらんでいて、愛らしい。」(168頁)
著者の、食べ物への愛が感じられる。
他にも、131頁に添えられている短歌が好きだ。
「肌重ねあったことは語らずにすり鉢の中ふくらむ豆腐」
この何とも言えない艶っぽさを放つ一首だが、これは白和えの話をしている。
白和えの表現方法がこうなるのか、と感嘆する。
エピソードとしては、136頁「33.うどんの朝」について言及したい。
関西風、関東風のうどんの違いについて、巷ではよく議論される。
どっちの方が好きだ、こっちは邪道だ、どっちも違ってどっちも美味しい。
東日本・西日本の対立構造として取り上げられることもある。
が、現代っ子の私は、あまり、関東風と関西風の区別をしたことがない。
これは私だけだろうか。
埼玉生まれ・埼玉育ちだが、東京にも関西風のうどんはある。
小さいころから「これは関西のうどんです!」と強調されて食べたことは無いし、家庭で食べる時も味噌味やすきやきの後であったことが多い。
むしろ、西日本のうどんの方がたくさん食べてきたのではないか。
お店で食べるのは、讃岐うどんや京風うどん、九州うどんばかりを記憶している。
最多で食しているうどんは、間違いなく丸亀製麺だ。
このように、関東には西日本のうどん屋さんが多い印象がある。
逆に、関西には関東風のうどん屋さんってありますか?
私が関西に赴任してから1年。一度も見たことが無い。
最後に、今の自分へのビタミンだったのが、100頁「24.「超おいしかった」体験」である。
農業体験で東北地方に行った反抗期の娘について。
体験後から精神状態が落ち着き、クセであった「おしょう油どぼどぼ」がなくなったというお話である。
「食べ物は、身体で食べるものであるとともに、心で食べるものなのだ」
大切にされて楽しく感じることで心が安定し、より美味しく食べ物を感じることができる。
思えば、半年前から、ごはんを心の底から美味しい!と思って食べることは無くなっていた。
気を晴らそうとして食べに行く焼き肉やお寿司は、もちろん美味しいのだけど、特有のワクワク感がなかった。
むしろ、一人でこんな贅沢品を食べている事実に悲しみさえ覚えていた。
炊きたてのご飯じゃなきゃイヤ!というこだわりさえも薄くなっていて、冷凍ご飯との違いもよく分からなくなっていた気がする。
この3ヶ月、休職ができてよかった。
実家で食べる料理名の無い炒め物、大切な友達と食べる牛丼、一緒に作るタコライス……
焼き肉やお寿司には代えがたい大好きな物をたくさん食べられた。
これから、再び関西でのひとり暮らしが始まる。
自分で作るのも好きだから、色んな料理を作っていきたいけど、レトルトや冷凍食品の技術の進歩にも感謝して、有効に活用したい。
愛を持って美味しく食べれば、どんな料理も、一人の食卓も、きっと楽しくなる。
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