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2020年23歳・本厄

距離



見えずとも聞こえなくともいいからね 匂い、温もり、感じてたいの



笑いつつ心の中でスクショした 半目で止まる画面の君を



君と僕、つながってるよ、離れても、WiFiだって、つながってるの。



10年と10万kmの想い出を 廃車にできず息子に乗せる



大きいぞ、入るか、レフト、下がる、飛ぶ ボーンと響く空席の音



キョリハチホ唱える君はテスト前 左隣のふたつ後ろに



コンビニへ徒歩10分がメンドクサ 君のもとへの4時間はすぐ



腰のシミ扁平足の土踏まず うなじのにおいも離れないの



いちまいの布団にふたり寝転んでセミの声が遠くに聞こえる



土日だけでも会わせてよ この叫び 届かず赴任、届く赤紙



職場近くのタリーズでカフェインのせいか嘔吐が続く。いっぱい



スマホ鳴る「起こしちゃった?」と聞く君に「ううん。」と答え髪型直す



ありがちな歌詞のようでごめんなさい。君に触れなきゃ僕はもうダメ。



背広着た僕は遠隔操作され止まった世界を歩き続ける




単身駐在



あのときはこんなに苦い世を知らず無味の煙を吐く午前2時



寝すぎたなカーテンあけて見るスマホ 9/9 19:02



ゴミ箱のパウチに残るひとしぼり 2分「あたため」2時間の味



あぁきっと こちら北区大阪駅前路上喫煙推進所



日々出社 ステイホームに憧れて身体を壊し ひとり第2波



旧友と紫煙にのせて吐く憂鬱「ラーメンでも食べに行こうか」



あぁうまい 開店前から20人 退店時には30人



「飲み屋スカ?」ネオン駆け抜け夜行バス ジトリと浮かぶ不安押し込め



心なくアプリ検索 品定め 食も、住居も、職も、女も。



涙を流して大阪転勤 今では三田をサンダと読むねん



YouTube 15分を20再生 徒歩15分の朝風呂へGO!



遠くには連れ出さなくて良いからさ カレーの口になってきたなぁ



タピオカと私の機嫌ひきかえた もっちもちで甘くておいしい



真っ黒な気持ちは丸めて蓋をして ベージュに染めて噛み砕くから




輪廻



世界一不幸な俺を変えたくて ピリカピリララポポリナペペルト



「ただいま」が暗い部屋で消えぬ間に「はい、どうも!」と言う画面のコンビ



明日には生まれ変われる気がしてる二十三歳最後のある日



月曜日溜まった煙吐き出して苦いコーヒー飲むきみはパフェ



昼飯にサラダチキンを食べました 深夜はカタメコイメオオメで



サジェストに出てきてしまうゲスな記事 俺の内面映した鏡



味噌汁を実家出てから飲んだのはみんなの食卓である松屋



少年のぞろぞろまわるヨーヨーがアスファルトの上てらてらゆれる



朝起きて働いて寝てまた起きて人生終わる今日でも終わる



しょんべんを大阪湾にひっかけた 海とひとつになれる気がした



死んだ目で私を睨みつけてきた 死んだ刃で指を切られた



「宇宙人、一番星はどこにある?」「ソンナモノハ、トックニホロビタ」





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