1つ星 (1 投票)
読み込み中...

【復職毎日感想文】笹井宏之『てんとろり』~旋律化された現実世界

【中だるみ】復職トレーニング4日目

今日は無理だった、終わり。
シーシャ→サウナ→冷水で、すべてを無かったことにする。

前日就寝時刻25:30
当日起床時刻9:30
(活動開始は15:30……)

笹井宏之『てんとろり』を読んで

現実感が無い、けれど、著者には、こう映っていたんだろうなと思う。
私には見えない世界が描かれている。
私の心は霞んでいるんだろうなと突きつけられる。

本書籍は、笹井宏之さんの第2歌集だ。
著者が26歳で亡くなられてしまった後にまとめられたものである。

31文字の短歌たちが、心地よい旋律を奏でながら流れていく。
序文でも語られているが、著者の短歌は、音楽である。

音楽だから流れるように進んでいく。
読んでいるこちらも、心地よさに身体を任せ、流れるようにページを繰っていってしまう。
時折、立ち止まる。
何度も意味を反芻したくなる歌に出会う。

音楽のようだから、完成の鈍い私には、正直、意味が分からないと感じてしまうときがある。
そんなとき、立ち止まるのだ。
ちょっと意味が分かったような気がしてくる。
そして、また少し戻って聴き直すのだ。

自然や物の擬人化、人の擬物化、美しい表現が並ぶ本歌集は、斜に構えてしまう私にはちょっとキツいかなと思っていた。
でも、たまにあるダーク、といってしまうと陳腐になってしまうのかもしれないが、そういった複雑な要素が私に襲いかかってくる。
世界をメロディとして見えている著者だからこそ、表せる闇を所々に感じられる。

読了後、やっぱり好きだったかもしれないと思い直した。
すごい、著者が私と同年代の頃に詠んだ短歌たち。
本歌集を読み終えて、現実世界の新たな見方を培ったと、自信を持って言える。

***

私も、短歌やエッセイの大会に応募しはじめているが、初めは量も大切だと思うので、どんどん作っていきたい。高校時代に詠んでいた短歌をまとめたノートがでてきた。百人一首を現代版にして、詠んでいる短歌もあり、眺めているだけで面白い。とはいえ、当時の現代版なので、「メール」が出てくる。もう、「メール」は最新版じゃないみたい、と6年前の自分に教えてあげたい。


▼第1歌集『ひとさらい』のリンクも貼っておきます。

ひとさらい 笹井宏之第一歌集

新品価格
¥1,320から
(2024/8/16 22:37時点)

▼『てんとろり』

てんとろり 笹井宏之第二歌集

新品価格
¥1,430から
(2024/8/16 22:37時点)

 


▼関連記事

にほんブログ村 小説ブログ エッセイ・随筆へ
1つ星 (1 投票)
読み込み中...