【昼寝しちゃった】復職トレーニング3日目
昼飯を食べた後、我慢ができず寝てしまった。
体力の衰えを感じるとともに、血糖値を急上昇させないように気をつける。
前日就寝時刻25:30
当日起床時刻8:30
柴崎友香『百年と一日』を読んで
1つ目の物語を読んで、何じゃこりゃ凄い、となった。
好みのエッセイ集、短編集の1作目を読んだときにはこうなる。
本作品には、全33の物語が詰まっている。
そのひとつひとつの良さは言うまでもなく素敵なのだが、
複数で見たときの良さ、通しで読んだときの興味深さが段違いである。
『百年と一日』というテーマを意識して読むことで、ひとつひとつの物語がより一層輝く。
時間が経つにつれ、状況が変わる、立場が変わる、考えていることが変わる。
この無常な世界に落ちている星々がすくわれて、本作品に収録されている。
私とは違う人生だけど、どこかにあるだろうと思わされる人生がたくさん載っている。
著者は、どうやって書いているんだろう。
きっと自分の経験ではない、誰かさんの人生をどうしてこんなにも忠実に書けるのだろう。
純粋に疑問が湧くとともに尊敬する。
ふいに、予想しなかったことが人生に立ちはだかることがある。
だから、”今”、信じた道を進むことしかできないのだと感じる。
私自身も、就職する前は、関東を離れるとは思わなかった。
就職活動を始める前は、IT企業に勤めるとは思わなかった。
親友の彼と出会う前は、もちろん彼のことを知らなかったわけだし、大好きな彼女のことも、出会う前は一度も意識したことはない。
他者が普段何を考えて、どうやって生きているのかも分からない。
親友の一日も彼女の一日も、細かいことはよく知らない。
家族と一緒に住んでいたって、見えない部分はたくさんある。
どういう生活を送っているかは分かっても、ずっと一緒に居たとしても、彼ら・彼女らがどんなことを考えながら、飯を食っているのか、寝る前に何を考えているのか分からない。
そして、私がどのように考え、どのように生活しているかを真に知っている人もいない。
最近はルーティーン動画なんて言って、YouTubeであげるのが流行っている。
有名人の一日が気になるのは分かるが、一般人のそれもまた需要があり、何百万回も再生がされているものもある。その時点で一般人では無くなるのだが。
もちろん、動画の中でオススメの家電やメイクの仕方など、直接的にタメになる情報を発信している場合もあるが、そんなものばかりでもない。
ただ単に、人は、人の生活に興味があるのだ。
どんな風に朝起きて、どんな風にご飯を作って、どんな風に家を出るのか。
それが、自分とは全く違う生活だったら、その追体験ができて楽しい。
自分と同じ境遇だったら、なおさら、興味深いのかもしれない。
一般的なその他大勢の生活ひとつひとつに焦点を当てたとき、人は好奇心をくすぐられる。
それは、有名人の特別で華やかな生活を追体験するのとは違った種類のものである。
加えて、生活の描写に、人生であったり世代を超えたりするような長い時間の概念を持ち込んだとき、数分の動画では再現することができない。
本作品には、文学でしか成し得ない物語、人々の生活が、描かれている。そんな一冊だ。
▼『百年と一日』(単行本)
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