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【モーニングルーティーン】父との朝ラーメン・ウォーズ

※本記事には『スター・ウォーズ』シリーズのネタバレになるヒントが含まれています。直接的なネタバレを避けようとしていますが、見ている人なら分かるパロディが多々ある、って感じです。勘がいい人も分かっちゃうかもしれません。あんまり怒らないでくださいね。自己責任でお願いします。

新たなる脂肪/エピソード4

「おう、起きないのか?」
早朝6時15分、父が部屋を訪ねてくる。

「6:00 の アラームをあなたは逃しました」
スマートフォンに通知が残っている。
iPhoneではない、XPERIAだ。

「うわ、ごめん、すぐ準備する。」

昨夜はあまり寝られずに、3時半頃に就寝したと思う。
睡眠時間が3時間足らずでも、果たさなければならない約束がある。

土曜日の朝ラーメンだ。

寝間着、寝癖、サンダル。
6時30分、顔だけ洗い助手席に乗り込む。

睡眠時間の短さだけでなく、昨夜のハイボールが睡眠の質を下げた。
参考文献は下記の通り。

https://nyo-nyo-nyo.net/?p=101

一応、宣伝をしてみた。話に戻る。

目が開かない。それでもクルマは進んでいく。
助手席は偉大だ。運転をしなくても進んでいく。

「実家に帰るといっぱい食べて太っちゃう」という言葉を聞く。
これは、実家の安心感や、親の愛情溢れるおもてなしのために起きる事象。

ウチは違う。朝ラーメンだ。
これは、実家周辺に早朝または24時間営業店舗がある使命感や、父親の愛情溢れるおもてなしのために起きる事象。

クルマに30分ほど揺られ、本日の目的地に到着。
眠気のあまり、チューバッカ並みに日本語が話せかった。
運転していたのも、ハンソロではなかったため、特に会話はなかった。

今日の星は、「ラーメンショップ 122号騎西店」。

ラーメンショップ 122号騎西店 (加須/ラーメン)★★★☆☆3.40 ■予算(昼):~¥999tabelog.com

満腹の逆襲/エピソード5

「やっぱ、混んでるなぁ」
早朝7時だというのに、店はほぼ満席だ。
大型トラックが並ぶ隙間に軽自動車がちょこちょこと申し訳なさそうに停まっている。

暖簾をくぐり、食券販売機の前に立つ。
開店~午前10時までは、おつまみもやし付きライス or 半熟卵トッピングが無料サービスされる。
それを念頭に、購入するメニューを組み立てていかねばならない。

我らは長い鍛錬を積み重ねてきたため、メニューはもちろんのこと、それぞれの味、腹を満たす度合いはすべて感覚でおぼえている。
クルマを降りた時点で、構成は決めていなければならない。

「チャーシュー麺」「中盛り増量」
父が慣れた手つきでボタンを押していく。
これは、「おつまみもやし付きライス」をサービスしてもらう流れだ。

テッテレテー テーテー ピピッー!! ジャラジャラッ
印刷音のあとにお釣りが出てくる。次はボクの番。

「ラーメン」「ネギチャ丼」
おつまみもやしも、とても美味しいのだが、ごま油で和えられたネギがのっているネギチャ丼は絶品だ。「半熟卵トッピング」をサービスしてもらう。

父がその食券を取り、「どちらも麺固めで」と店員に渡す。
何も言っていないが、「麺固め」であることは揺るぎない。

麺固めの方が旨い。いや、旨いと信じている。
人生、ある程度、信じられることを持った方が、きっと良い。
父からの教育の賜物である。

店内で流れるラジオからは、埼玉県出身のアイドルが必死に浦和でのエピソードを話している。

しばらくボーッと待つ。
先にライス類が届いて、とうとう、おでまし。


スープOK、麺OK、半熟卵OK、チャーシュー無論OK。
麺とスープの絡みOK、ライスとネギにスープをかけて海苔で包んでOK。

あっという間に満腹だ。
その先を越えても、スープと水を繰り返す。
レンゲとコップの往復は止まらない。

これはもはや、暗黒麺。
人間の欲望に訴えかけ、たちまち、カロリー過多に追い込んでしまう。

父は完全に暗黒麺に落ちてしまった。
ボクは、「恐れ」を断ち切り、なんとかしたい……

オウェの帰還/エピソード6

「旨かったぁ、これだよ、これ」
ダース・ラーメン卿は運転席に乗り込み、つぶやく。

国道122号は駐車場から右に出ることができないので、帰宅時は横道にいったん外れる。曲がった先には「セブンイレブン 加須騎西店」がある。
ここに必ず寄る。アイスコーヒーを買う。

「今日もナシナシ?」
ウチでは、ブラック珈琲のことをナシナシと呼ぶ。
否、父だけかもしれない。

父は、アリアリ(砂糖、牛乳ともにアリ)、ボクはブラックを手にして再度クルマに乗り込む。まだ動いていない内臓に流し込んだ者たちが暴れ、腹痛と吐き気を催す。オウェッ。

道中、父と会話をしながら、ボロボロになった身体をかばい続ける。
ピンチになったり落ち着いたり。腹痛歴は長い。なんのこれしき。
ハイセツマネジメント経験あり、これは市場価値が高い。

帰宅後、すぐトイレに駆け込む。
今日も無事だった。美味しかった。

シャワーを浴び、ひと眠りして、東京へ行こう。

ローグ・犬(番外編)

いっぱい歯磨きしたけど、ネギの辛みが残る…
この日、都内で会ったあなたに、ごめんなさい。
===

父と会話した内容は、下記などです。
「ここで自転車パンクしたことあるわ」
「モラージュ行くとき?」
「そう」

モラージュ菖蒲はショッピングモールの名前です。
中学生の時は、片道1時間くらいだったら自転車漕いで遊びに行きがちです。埼玉県は平野なので。
===

父が何故、暗黒麺に染まってしまったのか。
それだけで3部作ができそうですね。
ローグワンの最後、良いですよね。
ジョージ・ルーカスさん、よろしくお願いいたします。


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